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SBTIS: Shakespeare and British Theatre's Information Site


名作紹介〜映像化された作品 Films & TV dramas

-TV(シリーズ・全集・単発)
-舞台公演の収録作品
-映画(英語)
-映画(英語以外の言語)

TV(シリーズ・全集・単発)__________________________________

BBC テレビジョン シェイクスピア BBC Television Shakespeare:
 1978-1985年にかけて放映されたシリーズ。二人の血縁貴人Two Noble Kinsmenを除く37作品が映像化された。
 現在、「The Shakespeare Collection」としてDVDがセット販売されているので購入、かつ、PCで再生が可能。
 作品の出来に関しては賛否両論あり、作品により評価も好き嫌いも別れる。テレビ・映画映像的なリアリズムを
 追及している訳ではなく、あくまでシェイクスピア作品を映像化している作品群。全体を通して、役者の演技力と
 台詞の力が重視されている印象で、「舞台」に重きを置く英国ならではの感性で作られている。故に、背景セットの
 リアルさや、映像映えする役者の顔立ちを重視する現在のハリウッド的感性で作られたものとは一線を画している。
 見初めに、あまりに役者の顔の印象や年齢が、役柄と異なり違和感を感じたとしても、話が進むにつれ、内容と
 演技に引きこまれ、最初の違和感を忘れてしまうことも多く、英国芝居を知るには良い作品集。リチャード2世から
 ヘンリー5世までの歴史劇は、これぞ英国の演劇!という感があり、衣装も華やかで見ごたえがある。

シェイクスピア:アニメーション物語(アニメシェイクスピア)Shakepeare: The Animated Tales
 1992年から1994年にかけてBBC2で放映された、30分枠のアニメ版シェイクスピア12作品。夏の世の夢、あらし、
 マクベス、ロミオとジュリエット、ハムレット、十二夜、リチャード三世、じゃじゃ馬ならし、お気に召すまま、
 ジュリアス・シーザー、冬物語、オセロが映像化されている。「昔のアニメ」と言ってしまえばそれまでだが、
 絵本のようで、観る側の想像力を掻き立てる。短縮の仕方は原作に忠実。見る側の解釈の余地も残されている。
 また、一見雑にみえる画像だが、観ていて疲れない。案外、現在の「アニメ」ではなく、こういったアニメーション
 作品を求めている人も、多いかもしれない。上記の英語タイトル、もしくは「Animated Shakespeare」といった
 言葉で検索すれば、現在、YouTubeで何作か有名な作品を観ることができる。ハムレットは、一見の価値あり。
 アマゾンなどでDVDが購入可能 → Shakespeare: The Animated Tales [DVD]

今月の戯曲 Play of the Month
 1965年から1983年まで放映されていたBBCのテレビシリーズ。舞台劇をテレビ放送向けに映像化したものを放映
 していた。シェイクスピア作品からは、ロミオとジュリエット、あらし、ジュリアス・シーザー、マクベス、
 夏の世の夢、ヴェニスの商人、リア王、恋の骨折り損の8作品が映像化されている。このシリーズは、古典作品から
 20世紀の作品まで幅広く扱っているが、名作が多い。時にYouTubeに掲載されているのを発見することがある。
 「Julius Caesar 1969」で検索すると、現在、ジュリアス・シーザーを見ることができる。

サンデーナイト・シアター BBC Sunday Night Theatre
 1950年から1959年にかけて放映されていた「名作劇場」枠。十二夜、オセロ、リチャード2世(1950)、
 ジュリアス・シーザー(1951)、じゃじゃ馬ならし(1952)、お気に召すまま(1953)、間違いの喜劇、
 トロイラスとクレセダ(1954)、ヴェニスの商人、ロミオとジュリエット(1955)、十二夜U(1957)、
 夏の世の夢(1964)、オセロU(1950)等が映像化された。残念ながら、現在のところ、作品を閲覧できる媒体は
 見当たらない。

サタデーナイト・シアター ITV Saturday Night Theatre
 1969年から1974年にかけてイギリスITVで放映されていたシリーズの一部として、シェイクスピア作品としては
 十二夜(ジョアン・プロウライト、アレク・ギネス、ラルフ・リチャードソン)とハムレット(リチャード・
 チェンバレン、マイケル・ラドグレーヴ、ジョン・ギルグッド)が制作された。背景や映像に時代を感じる人も
 いるかもしれないが、どちらも名優ぞろいの名演技で貴重な作品。現在、YouTubeで閲覧できる。また、十二夜は、
 英アマゾンからDVDが入手可能( Twelfth Night [1969][DVD])。ハムレットはDVDは発売されていないが、
 米アマゾンから、録音LP版が入手できる(Hallmark Hall of Fame TV Presentation of Hamlet [Double LP])。

王たちの世代 An Age of Kings

 BBCによるシェイクスピア歴史劇8作を題材にした、全15エピソードからなるシリーズ。1960年制作・放映。
 当時の舞台の名優たちが共演した質の高い作品群で、放映当時から高い評価を得ていた。英国の演劇の「強み」が
 ここに端的に表現されている。若き日のショーン・コネリーやジュディ・デンチも出演。現在、アマゾンなどで
 DVDを購入出来る。→ An Age of Kings [DVD]

薔薇戦争 The Wars of the Roses
 王立シェイクスピア劇団による、ヨークとランカスター両家の争い「薔薇戦争」を扱った名作プロダクション。
 シェイクスピア作品の「ヘンリー6世第一部〜第三部」と「リチャード3世」を叩き台に、名演出家ジョン・バートン
 John Burtonとピーター・ホールPeter Hallが、新たに脚本を執筆、演出した作品。
 往年の名女優ペギー・アッシュクロフトPeggy Ashcroftが、マーガレット王妃を演じているのも見どころの一つ。
 RSCのウェブサイトからDVDが購入可能。→ RSC, The Wars of the Roses [DVD, 1963]

マクベス Macbeth (1979 film)
 王立シェイクスピア劇団の、トレバー・ナン演出の実験的作品「マクベス」をTV用に映像化したもの。現代英国を
 代表する名シェイクスピア俳優、イアン・マッカランとジュディ・デンチがマクベスとマクベス夫人を演じている。
 アマゾンでDVDが購入可(William Shakespeare's Macbeth[1978][DVD])。YouTubeでも閲覧できる。

ヴェニスの商人 The Marchant of Venice (1973)
 ローレンス・オリヴィエがシャイロックを演じ、その三番目の妻、ジョアン・プロウライトがポーシャを、
 シャーロック・ホームズ役で有名なジェレミー・ブレットがバサーニオーを演じている。ヴィクトリア期に時代を
 移した設定となっている。DVDで入手が可能 → The Marchant of Venice [1973][DVD]

虚しき王冠 The Hollow Crown
 BBCの新シェイクスピア歴史劇連作ドラマ。2012年に放映された、「リチャード2世」から「ヘンリー5世」までの
 第一シリーズと、2016年に放映された「ヘンリー6世」から「リチャード3世」までの第二シリーズに分かれる。
 BBCのウェブサイトに各シリーズのHPが残されているが(第一シリーズ:BBC The Hollow Crown Home Page
 第二シリーズ:BBC The Wars of the Roses Home Page)、残念ながら、日本からはクリップ等を観ることは
 出来ない。ただし、アマゾンなどでDVDを購入可能。→ Hollow Crown: Complete Series [DVD] [NTSC]


舞台公演の収録作品_______________________________________

グローブ座 没後400年記念エディション Globe 400th Anniversary Edition
 グローブ座の舞台作品を収録したもの。基本的に北米向けらしく、放送規格が日米仕様のもので録画されており、
 日本のビデオデッキで再生が可能。2009年から2014年にかけて上演されたシェイクスピア19作品+マーロウ作の
 ファウストが収録されている。2012-13シーズンの、全男性キャストの「十二夜」は秀逸。アマゾンで購入出来る。→ Globe 400th Anniversary Edition [DVD][NTSC]

ナショナルシアター・ライブ National Theatre Live
 英国ナショナルシアターの舞台公演を収録したものを映画館で上演している。もちろん、シェイクスピア作品も
 含まれる。日本ではTOHOシネマズで上演している。日本版公式サイトはこちら → National Theatre Live

ハムレット Hamlet (1964, 舞台)
 1964年にニューヨークで上演された公演の録画。リチャード・バートン主演、ジョン・ギルグード監督作品。
 シンプルなセット、現代衣装での公演で、シェイクスピアの言葉と役者の演技にフォーカスがおかれた名作。
 影を意識したライティングも素晴らしい。現在、YouTubeで閲覧可能。


映画(英語)_________________________________________

<ローレンス・オリヴィエの作品 Laurence Olivier>
 ヘンリー5世 Henry the Fifth 1944:
  オリヴィエ演出・主演。第二次世界大戦終盤に、英国民を鼓舞する目的もあり制作された。シェイクスピアの時代
  のグローブ座で、役者たちが公演を行っているという場面から始まり、ヘンリー五世の内容へと移っていく。時代
  は感じられるものの映画としての芸術的な完成度は高い。また、商業的に成功を治めた最初のシェイクスピア映画
  と一般に認識されている。→ HenryX[DVD]
 ハムレット Hamlet 1948:
  世界的大ヒットとなった映画。オリヴィエを知らずとも、有名な外国の「ハムレット」映画として記憶している
  人は多いかもしれない。プロデュース・演出・主演オリヴィエ。そのオリヴィエはアカデミー主演男優賞を受賞
  している。映画という新しい媒体とはいえ、主要な脇役(ローゼンクランツとギルデンスターン)をカットしたり
  冒頭に自らの解釈による独白を入れたりと、当時としては画期的な試みを行っている。この時代を代表する
  シェイクスピア映画。→ Hamlet[DVD]
 リチャード3世 Richard the Third 1955:
  オリヴィエ 演出・主演の三番目のシェイクスピア作品。前作同様、プロデュースもオリヴィエ。オリヴィエと共に
  英国三大舞台俳優と謳われたラルフ・リチャードソン、ジョン・ギルグッドも出演している。
  アマゾンでDVDが入手可能。→ Richard V [DVD][1955]
 オセロ Othello 1965:
  ナショナル・シアターの舞台公演を基にした映画版オセロ。オリヴィエが黒人に扮してオセロを演じている。
  人種問題と関連付けられがちだが、もともとオリヴィエは、役柄によって姿、声、アクセント等を変えるスタイル
  の役者。「黒人役」を演じるオリヴィエと、公演そのものを素直に楽しみたい。若き日のマギー・スミス、
  デレク・ジャコビーも出演している。アマゾンでDVDが入手可能 → Othello [DVD]

<ピーター・ブルックの作品 Peter Brook>
 リア王 King Lear 1971年
  ポール・スコーフィールド主演の名作。写実的かつ非英国的なシェイクスピア。ロシア的・東洋的な印象の強い
  作品。批評は賛否両論で、ドキュメンタリーのような雰囲気と抑えた演技を評価する声がある一方で、こと英語が
  本来持つ独特の明るさを打ち消す様な手法に反感を覚えるものは少なくなかった。ブルックの目に適った演技派
  役者を揃え、作品としては見ごたえのあるものになっている。アマゾンで入手可能。→ King Lear [DVD]
 ハムレット Hamlet 2002年
  TV用に制作された舞台的な映像の映画。多人種・多国籍キャスト、東洋色は濃いものの、様々な文化が入り混じり
  はっきりと何処とは分からないシンプルなセット、言葉と演技に重きのおかれた演出と、正にピーター・ブルック
  らしい作品と言える。こちらもアマゾンで入手可能。→ The Tragedy Of Hamlet/ Brook By Brook [DVD]

<ケネス・ブラナーの作品 Kenneth Branagh>(全てレンタル等で観ることができる)
 ヘンリー五世 Henry X 1989:
  ブラナー脚本・演出・主演。ポール・スコーフィールド、デレク・ジャコビー、ジュディ・デンチ等、名だたる
  シェイクスピア俳優が出演。オリヴィエの同作と比べ、より近代的で映画的・写実的な作品となっている。
 空騒ぎ Much Ado About Nothing 1993:
  ブラナーが、プロデュース、脚本・演出・主演をこなした作品で、商業的にかなり成功した。日本でも有名な
  シェイクスピア映画の一つ。もともと喜劇ではあるが、ごくハリウッド的で、明るく、軽く、ロマンチック。
 ハムレット Hamlet 1996:
  野心的な作品。脚本・演出・主演ブラナーで、映画版シェイクスピアとしては最長の4時間を越える大作。
  現代最高の映画の一つとされる。前作と異なり、ヒットはしなかったが、ブラナーの才能と「1996年という時代」
  を感じ取れる作品。

<その他 有名な作品
>
 ロミオとジュリエット Romeo and Juliet 1968:
  テーマソングと共に、恐らく最初の「最も有名な」ロミオとジュリエット。フランコ・ゼフィレッリ監督作品。
  初めて実際の10代の役者を使って作られた映画でもある。
 ロミオ+ジュリエット Romeo + Juliet 1996:
  恐らく「最も有名な」米国版・現代版ロミオとジュリエット。レオナルド・ディカプリオ主演。
 ジュリアス・シーザー Julius Caesar 1953:
  ジェームス・メイソンがブルータスを、ジョン・ギルグッドがカシアスを、マーロン・ブランドがアントニーを
  演じている。ブランドによるアントニーの演技は当時評価を得たものの、好みは分かれるかもしれない。
 ジュリアス・シーザー Julius Caesar 1970:
  チャールトン・ヘストンがアントニーを、ジョン・ギルグッドがシーザーを演じている。同作最初のカラー版。
  ヘストンのアントニー、ギルグッドのシーザーともに演技に見ごたえがある。
 夏の世の夢 A Midsummer Night's Dream 1935:
  美しい背景の中で、美しい妖精たちが、美しい衣装を身にまとい、美しい映像世界を作りあげている、いわゆる
  「ファンタジー」としての夏の世の夢。メンデルスゾーンの音楽に合わせ、妖精たちがバレエを踊り、とにかく
  美しいおとぎ話。若きミッキー・ルーニーが妖精パックを演じている。
 夏の世の夢 A Midsummer Night's Dream 1968:
  ピーター・ホール監督作品。ジュディ・デンチが妖精の女王タイターニアを演じている。「見た目」よりも
  演技と声とスピーチを重視する、とても英国的なシェイクスピア映画。
 夏の世の夢 A Midsummer Night's Dream 2016:
  BBC で放映されたTV 映画。マキシム・ピークがタイターニアを演じている。ハリー・ポッターシリーズを見る
  ような、ごく現代的なファンタジーアクション映画作品になっている。台本には忠実で、「ヒポリタ」の存在など
  ひねりを利かせた解釈になっているのは流石。
 十二夜 Twelfth Night 1996
  トレバー・ナン監督作品。映画版ロマンチック喜劇。ブラナーの「空騒ぎ」に続き、人気の高いシェイクスピア
  喜劇を「ロマンチックで映画的な」映画に仕立て上げた成功例。興行的にも成功した。  
 リチャード3世 Richrd V 1995:
  イアン・マッケラン主演。舞台を1930年代のイングランドに置き換えてある。第二次大戦時のドイツを彷彿させる
  セッティングで、解釈の大胆さは見事。映画として見ごたえがある。

<その他 名作>
 プロスペローの本(あらし) Prospero's Books 1991:
  ピーター・グリーナウェイ監督、ジョン・ギルグッド主演の「あらし」を題材にした意欲作。
  背景にうつる人々は皆ほぼ裸体で、ルネサンス絵画のような奇妙な空気感を創りだしている。当時の最新の映像
  技術を使い、日本で編集された。オペラ、踊り、語り、芝居、アニメーション等が入り混じり、映画・芝居と
  いうよりも、総合「芸術」作品となっている。おそらく、その世界観を受け入れられるか否かで評価は分かれる。
  ただ、ギルグッドの存在感、声、ナレーションは荘厳、マイケル・ナイマンの音楽も美しい。
 マクベス Macbeth 1971:
  ロマン・ポランスキー監督作品。興行的には失敗に終わった。映画としては賛否両論で、残虐な場面が否定的に
  受け取られることも多い。が、「シェイクスピアのマクベス」の映画化作品ではなく、「ポランスキーの感性で
  シェイクスピアが描いたものを描き直した」と捉えると、すんなりと受け取りやすい。あるいは、英語作品
  ではなく、外国語作品であったならば、評価は異なったのかもしれないと思わせる作品。


映画(英語以外の言語・その他)_________________________________

<黒澤 明監督作品、日本映画>
 蜘蛛の巣城(マクベス) Macbteh 1957
 乱(リア王)King Lear 1985
 悪い奴ほどよく眠る(ハムレット) Hamlet 1960
  ※「世界のクロサワ」という呼び方こそされるものの、黒澤作品がどれほどの評価を受けているのかは、
  日本ではきちんと認識されていないかもしれない。日本人が扱った「シェイクスピア作品」のうち、本国英国で
  きちんと「Shakespeare シェイクスピア作品」として出来が議論される対象となっているのは、恐らく
  「蜘蛛の巣城」と「乱」だけ。その解釈の深さと、映像表現の完成度・見事さは、日本人が「マクベス」や
  「リア王」を理解しようとした時は、この黒澤二作品を観れば良い、と思わせるほど。英国人が自国の
  名プロダクションを観た時に受けるのと近い感覚、理解を得ることができるのではないだろうか。近年は
  「悪い奴ほどよく眠る」が「ハムレット」を叩き台にした作品として広く認識されるようになってきている。

<グレゴーリ・コージンツェフ監督作品、ロシア/ソヴィエト映画>
 リア王 King Lear 1971, Grigori Kozintsev演出
 ハムレット Hamlet 1964, Grigori Kozintsev演出
 
  ※黒澤作品もそうだが、翻訳台本を使うと「シェイクスピア」の言葉から解放されているため、台詞から核となる
  言葉だけを抜粋し、残りをすべて映像で表現するということがしやすいのではないか、と思わせる作品。
  「シェイクスピアの英語」があまりにも美しく描写的であるため、英語で映像化しようとしたときには、常に
  映像と言葉の折り合いをどう付けるかといった葛藤が起こるが、翻訳では、それが起こりにくい。故に、「映画」
  としては、より的確にシンプルに「原作」を表現できるのかもしれない。もちろん、ロシア的な感性も見事。
 


映像紹介室はこちら

シェイクスピア

ウィリアム・シェイクスピア
英国におけるシェイクスピア
作品(戯曲)
作品(詩)
歴史と背景(英国史概要とシェイクスピアの時代)
歴史と背景(シェイクスピアの劇団と劇場)(準備中)
名作紹介(映像化された作品)